ダイビング指導団体のつくる各コースプログラムには 安全性を高めるために規準があって 我々インストラクターは その規準に乗っ取って コースを開催しますが
スキルだけでなく
どんな器材を使う ということも 規準がある。
テックダイビングにも BCを使うが 今回の規準変更はBC浮力体のことだ。
テック45以上になると 実質的にダブルブラダー(メインの浮力体が不調でも もう一つ別の浮力体がある形状)を使うことが前提であった。
が 世界的な実情に合わせて
ようやく?変更になった。
詳細は 2019ファーストクォーターのトレーニングブルティン参照してくださいませ (プロメンバーの方のみ)
旧規準
アルミシリンダー使用時:
ウエットスーツ時→ダブルブラダー必須
ドライスーツ時→シングルブラダーでも良い
スチールシリンダー使用時:
ウエットスーツ時→ダブルブラダー必須
ドライスーツ時→ダブルブラダー必須
新規準
アルミシリンダー使用時:
ウエットスーツ時→実質的にシングルブラダーでも良い
ドライスーツ時→シングルブラダーでもよい
スチールシリンダー使用時:
ウエットスーツ時→環境条件次第でシングルブラダーで可能な場合も。※1
ドライスーツ時→シングルブラダーでも良い
となった。
※1
浮上時 水面のボート等まで 何人もぶら下がって浮上しても大丈夫な状態であるとか 水底が水面まで斜面であるなど条件がある。十分な注意 配慮 準備が必要。
日本にあるスチールシリンダーはメタリコン塗装も施されており 海外視点で考えるスチールシリンダーでもOKという状態と 同等ではなく 日本にはやたらと重い。ので インストラクターの判断で 浮力体不調でも水面に上がれる状態 かどうか の判断をしなければならない。
せきちゅうも スチールシリンダーバックマウントダブルで
ウエットスーツ時 シングルブラダーで潜っていたとき調査が終わって安心したのか浮上までに時間バディとは離ればなれになり遊んでたときに
浮力体不調(パワーインフレーターホース破れ)で 浮力が確保出来ず 浮上できない事態に陥ったことがある。水面まで垂直に切り立った岩があって ロッククライミングにようによじ登ったが 重くて全く上がれず フィンで水面に向かうも それもまた全く上がれず。。。ということがあった。
結果 25mから BC放棄して 緊急浮上か?と思っていたところ バディと合流し バディをつかんで そのBCで二人分の浮力を確保し 浮上したわけではあるが(^^;;
その出来事から色々学んだが 浮力体はやはり重要。
規準が変わったからといって 安易に なってはいけないが 生徒や環境や状況が大丈夫なことをインストラクター自体ももちろんテックダイバー自身も安全かどうかを確認し裁量の範囲になったことは 喜ばしいことでもあるし
ま 世界的な 実情に沿ってきたなと そう思うわけでございます。
ウチは 講習用としても ダブルシリンダーを アルミを準備したので 規準的にも 制限は緩やかになり ほとんどの場合 わざわざダブルブラダーでなくとも 構わないようにはなった。
DSMBを少し大型にし 水面までのラインを持ち バディとはぐれずで 対応するスキルをトレーニングに入れたり工夫して 楽しいテックをさらに楽しくやっていければと 思っております(^^)
※ブラダーってbladder つまり膀胱w
膀胱のように 膨らませられることから BCの浮力体部分をブラダーと呼ぶようになった。
翼のようにも見える(使う)ので ウイング とも言う。
この本は ドイツの潜水艦Uボートを調査してた親子テックダイバーが トラブルで 減圧ガスを使えず 水面まで上がってしまい DCSになって。。。っていう ストーリーの本です。テックダイバーなら読んだ方がいい。